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小型エジェクターを用いた中小漁港の砂除去システム(SEPS)の開発に関する研究 (SPES: Small Pomping Ejector System)

県内の中小漁港で冬場での港内堆積土砂による入出港が困難となる事象が頻発しており、新たに小型エジェクターシステム、SEPSによる土砂吸引システムの開発を行った。

試験漁港は、鳥取市青谷に位置する長和瀬漁港である。北西からの波が来襲する12月から2月にかけて、波によって大量の土砂が港内に堆積。漁船の入出が困難となる事例が近年、頻発している。2021年の4月における構内浚渫量は1500m3に及んだが、土砂堆積の間は隣接する泊漁港に船舶を移動して出漁するなどの対応がなされることもある。しかし、一般的な浚渫船は中小の漁港には吃水が小さいことから入港できず、随時の浚渫が不可能な状況である。

長和瀬漁港の航路と船揚げ状況
グラブ浚渫船

ここで提案する小型エジェクターによる砂除去システムは、小型可搬ポンプを利用することから漁船に搭載したり、イカダ上の搭載あるいは岸壁設置も可能であり以下のメリットが挙げられる。


  1. 随時、港内での浚渫が可能である。
  2. 漁業者自らが、砂除去事業に従事でき収入増につながる。
  3. 可搬ポンプによる消防機能で消火や漁網洗浄など可能である。
  4. 河川・ため池での土砂浚渫事業にも展開できる。

エンジン+可搬ポンプ一体型とエジェクターとを連結した小型可搬式システムである。
必要な時に、必要な場所に短時間で土砂吸引を実施できる。中小漁港内での浅水エリアでの浚渫が可能。

漁船の動力によるポンプの利用も可能である。

漁船に搭載したSEPSのイメージ
イカダにSEPSを搭載したイメージ

現在、このシステムで土砂吸引試験を行なっているが、高い土砂吸引能力を確認している。
浚渫土砂の搬送方法の検討、土砂吸引アタッチメントの改良を行っている。

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